動物性や植物性…ワックスの艶成分によって効果は違う!
ワックスをかけるメリットはいくつかありますが、コーティングと比較しての魅力を考えると、それは「艶」。ただし、どんなワックスも同じ艶になるわけではなく、それはワックスに含まれている成分やブレンド技術で変わってくるのです。
ワックスの艶成分のメインは「蝋」
洗車をして、ワックスをかけた後の愛車の深い輝きは、クルマ好き冥利につきるというもの。まるで、美しい湖の水面を見るようです。コーティングがスタンダードになっているこの時代でも、カーワックスの人気が不変的な要因は、この艶にあると言ってもいいでしょう。
この艶はワックスに含まれている艶成分によるものですが、すべてのワックスが同じ成分を使っているわけではありません。動物性や植物性、そして石油系などいろいろです(表を参照)。ただし、どの艶成分も「蝋」という共通性を持っています。
そもそも蝋が艶出しに使われたのは、自動車においてではありませんでした。ミツバチの巣から採取する蜜蝋を、骨董品の陶器やアンティーク家具などに塗り、表面の細かい傷の解消や艶出しに使っていました。その後、自動車の普及に伴い、そのメンテナンスに蝋が使われていったようです。
いろいろな蝋の中でも、カルナバ蝋は王様
蝋を大別すると、天然蝋と合成蝋に分けることができます。前者は天然に自然界に存在している蝋を精製する事で得られる物、後者は化学的作業により主に石油精製品から蝋と同一の組成を持つ物質を合成した物です。
カーワックスはタイプやグレード、用途などによって、この成分を変えているのです。カーワックスの蝋の中でも、もっともしっとりとした深い艶が得られるのが「カルナバ蝋」です。
カルナバ蝋は、ブラジル北部に生息するカルナバ椰子の樹液を乾燥させた粉から精製する、天然のエステルワックスです。樹木を伐採することなく、葉のみを切り取って採取するため、地球環境にも優しいのが特徴です。
カルナバ蝋には木の上部に生える「オルホ」という若葉から採れる樹液がもっとも上等とされており、1号や2号のカルナバ蝋は、ここから作られます。これらは全体の2〜3割程度しか採れませんが、さらにその中の1%しか採れないもっとも若い葉の部分の蝋は「コスメティックグレード」や「フローア・フィナ」と呼ばれ、珍重されています。
蝋は下の葉から採れるものほど、成分グレードが落ち、3〜5号といったカルナバ蝋として生産されるのです。
カルナバ蝋は硬く透明感のある艶出し剤として、薬品や菓子のコーティング、果物の艶出し、軟膏や化粧品の原材料などで使用されています。そして何よりも、その美しい艶ゆえにカーワックスの艶出し成分としてお馴染みです。上質な商品はカルナバ蝋のみを使用し、これに塗り込みや拭き取りなどで使いやすいよう石油系成分が加えられています。
美しい仕上がりが特徴のカルナバ蝋配合の固形ワックスは約1ヶ月~1.5ヶ月の持続性があります。
WAXの被膜が落ちる一番の原因は、一般的には雨となります! WAXは1ヶ月以内の施工間隔が美しいボディーを保つ秘訣となります。