長年シュアラスターワックスを愛用する“ハコスカ職人”
最高峰のマスターワークスを試してみた
- ジェイ奥村
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目次
下町で愛される修理工場
祖父の代から家業である自動車修工場である“内田モーターワークス”
現在は7,000番台まであるという東京都の認証工場。その認可番号が42番目というから、都内でも老舗の修理工場である。
大好きなハコスカの為に入手不可パーツを再生
現在も下町の頼れる町工場として地域に住み人たちの自動車整備に勤しむ代表の内田幸輝さんであるが、自他共に認める“ハコスカ馬鹿”。
全国から“ハコスカ馬鹿”を頼り、車検整備からチューニング、レストアまでを手がけ、入手不能となったハコスカのパーツの再生販売する“VICTORY 50”を設立し、いつしかハコスカの駆け込み寺として、全国的に認知されているハコスカ専門店の代表でもある。
工場2階はレアパーツや、消耗パーツまで大量在庫されている
入手不可パーツは再生産し、ハコスカの維持を手助け
ハコスカ新車時の愛車セットには専用ワックスがあったそうです
日常生活もハコスカで過ごす
18歳からハコスカ一筋の内田幸輝さん
そんな内田さんの、愛車はもちろん“ハコスカ”
足立5という当時のままの“シングルナンバー”を掲げた内田さんの愛車は、少年時代に所属していたボーイスカウトの隊長から引き継いだ宝物だ。
少年時代から憧れていた個体の各部には痛みもある約50年が経過した年式相応のボディコンディションである。その自然な風合いが過度な再生を行っていない証明でもある。
そんな内田さんは、元祖“羊の皮を被った狼”といえる4ドアの“GTR” を家族旅行など普段使いしている。
そして、ハコスカマニアとしては最上級の喜びともいえる、その輝かしいレーシングヒストリーを自身もなぞり歩くかのように、ヒストリックカーレースへ“ハコスカ”で挑戦し続けている。
JAF公認の競技にハコスカで挑戦し続ける
内田さんが参戦しているのは、日本クラシックカー協会(JCCA)の主催するヒストリックカーレース。
JAF(日本自動車連盟)の公認競技であり、現役マシンによるモータースポーツと同様にFIA(国際自動車連盟)の国際モータースポーツ競技規則並びにそれに準拠したJAFの国内競技規則に従った規則により準国内競技として開催されるというもの。
厳格な車両規定があり、レース前後には車検があり、安全の為、消火器や燃料タンクなどの装備品には使用期限を設けており、ヘルメットやレーシングスーツといったウェア類も同様に安全を確保したものの使用が義務付けされている。
しっかりとしたレギュレーションに基づいて行われるヒストリックカーによる自動車競技である。
JCCA 筑波ミーティングサマーに参戦
その1日のレースプログラムの中では、年式や改造範囲によりクラス分けされた各レースが行われる。
その中で内田さんが現在参加しているのはノーマル車により、サスペンションの変更のみが許されているPクラスと呼ばれるレース。
メカニック兼ドライバーの内田さんをサポートするのは、レース活動初期から支えてくれている日産プリンスディーラー勤務時代からの先輩松坂さんに、某スーパーカーショップで腕利きのメカだったフレディ早川さん、そして内田さんの息子隼斗くんというチーム編成。
1968年前後の車両“P68”と1970年から1975年までの車両の“P75”の2つのクラスの混走となる。
内田さんの“スカイライン 2000GT=R”は1969年製であるが1970年から1975年のクルマと同じP75クラスでの出走となっている。
また、それぞれ1300ccの排気量を上限に2つのクラスが成立している。
そして7月5日、茨城県にある筑波サーキットにて開催された“JCCA TSUKUBA MEETING SUMMER”にエントリー。
主催するJCCAはコロナウイルス対策として、午前にすべての予選を終了してからのそれぞれのクラスの決勝レースという通常のタイムスケジュールから、半分である4つのクラスの予選後に4つの決勝レースも行うという変則的なスケジュールで、パドック内での感染予防対策とした。
Pクラスは、この日最初の予選、8時のスタートで決勝は9時30分であるから、いつもより慌ただしいスケジュール。
というもの暖気用プラグから走行用プラグに交換するチームスタッフの様子を入れながらの自撮りをしている内田さん。
あまり時間的なプレッシャーには感じてない様子(笑)?
サーキットはゼロフィニッシュでお手軽洗車
実は内田さん、18歳で免許を取得してから長年の“シュアラスター ワックス”の愛用者。常にハコスカのトランクには“シュアラスター”があった。
今回、レース現場での最適クリーナーということで“ゼロフィニッシュ”を持参。
レースをサポートする息子の隼斗さんが出走前のハコスカを磨きます。聞けば、隼斗さん、キャンペーンに応募、当選した景品のゼロフィニッシュを気に入り、以降愛用中という親子2代のシュアラスター愛好家でした。
ちなみにレーシングカーは汚れていなくても、走行のたびの洗車は鉄則。各部に触れることにより、予期していないダメージなどを発見することもあるのです。
それを見ていた内田さんの友人であり別クラスへエントリーしている大村さんが登場。
いい艶出るね! 終わったら貸してよと、愛車フェアレディ2000を磨きます。大村さんのフェアレディは、S2というチューニングカーのクラスへエントリー。参加台数も多い激戦区です。
この日最初の走行、Pクラスの予選が開始。ハコスカも快調に周回を重ねタイムアタック。
内田さんいわく、今日は星野一義さんばりに縁石をいっぱいに攻めたとのこと。予選結果は5位。
先ほどの大村さんのフェアレディもクラスS2の予選へ出走。
Pクラス決勝レースがはじまります
コロナ対策で午前午後の入れ替え制ということで午前中の4つの予選が終わり決勝レースです。
本日最初のレースはPクラス。内田さんとハコスカの出番です。レッドシグナルの消灯により、各車一斉にスタート、第1コーナーを目指します。内田さんのハコスカも5番手をキープしながら周回を重ねます。
排気量に勝るトップ集団たちから遅れるも、予選通りのポジションをキープしつつラップを重ねる内田さんとハコスカ。
そして無事に15周のレースを5位で終えました。
JCCA筑波ミーティングサマーに参加したマシンたち
この日、内田さんが出場したPクラス以外に行われた別クラスのマシンは以下の通り。ツーリングカーからフォーミューラーカーまで多彩なカテゴリーでのマシンたちをご覧ください。
また次回のJCCAヒストリックカーレースは、同じく筑波サーキットにて開催。ぜひ、生で往年の名車たちの熱いポジション争いをご覧いただけたらと思います。
シュアラスター最高峰マスターワークスを試す
長年のシュアラスターワックスを愛用している内田さんであるが、最高峰ワックス“シュアラスター マスターワークス”は今日がはじめて。愛車ハコスカで試してもらった。
へ〜!パッケージも今までのアメリカンな感じと違って落ち着いているね!
なんとなく旧車にもイメージあっていいじゃん!と内田さん。
これって進化?アップデートっていうの?伸びがいいなコレ!固形ワックスの概念変えるよ!ずっとシュアラスターを使ってるけど、今まで半日仕事って感じで気合いれてたけど、こうしてパートに分けて塗って拭いてるとテンポいいね。
そして、この匂い!シュアラスターの匂いだ。これは変わんないね。この匂いもシュアラスターの特徴だよね。
このハコスカは、前オーナーがまだラッカーペイントの頃、一度オールペイントしているんだけど、それから30年以上経ってるんだよ。ほら、経年劣化して表面に部分的にクラックがあるけど、これも埋まるというか、爪で触ってもワックスかける前よりスムーズだよね。塗装面の上に一膜張った感じあるね。これはいいね!
いつもエンジンルームもワックスかけるんだけど、わぁお!エアクリーナー、赤いから艶が出たのがわかりやすい!
マスターワークス、いいじゃん!ピカピカだよと上機嫌の内田さん。
マスターワークスがいいのもだけど、それだけじゃないよね!このフロスも使い勝手の良さを向上させてるね!
今まで古タオルでしか梳き取りしてなかったんだけど、さすが専用品だね!オレンジで拭いてさらに白フロスでの仕上げは効いてるよ。進化してるんだな〜!
オレさ、これ1台しか持ってないから、雨の日も乗るんだよ。そうした時に水玉がボンネットをすー!!って流れてくのが見えるじゃん、好きなんだよね。
オレの場合は他の人と違ってワックスに求めるものって艶出しもだけど、いかに塗装の表面をコートしてくれて酸性雨から鉄板を守ってくれるかどうかが一番の重要ポイントなんだよね。
そうそう、これ俺のワックス効いてるかどうかの確認なんだけど、吹き上げたフロスをボンネットに投げて、その滑りを見るんだけど、マスターワークスこれは効いてるよ!
うん、お客様にも胸張って勧められるね!
記事で紹介されたアイテム
取材協力
内田モーターワークス http://victory50.com/
日本クラシックカー協会 http://www.jcca.cc/
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本業はフリーランスとして活動中のスチールカメラマン。愛車は1931年Austin Sevenから、1964年のFord Angliaなど、旧いクルマばかりを10台あまり所有し、日常生活はもちろんのこと、遠方への仕事にも使用。趣味のヒストリックカーレースでは、戦前車からスポーツカー、ツーリングカー、葉巻型フォーミュラーカーまで乗りこなす。そうした経験から自動車専門誌や、雑誌での特集記事などの執筆も行い、半年に一度、雑誌「The Vintage Wheels」の編集長として、旧い2輪車、4輪車の魅力を発信中である。
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